カナダのビリギャル 第一話

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どうもユウイチ(@yuichiho)です!

 

みなさん、ビリギャルはご存知でしょうか?

学年ビリの金髪女子高生が慶應義塾大学に合格するまでの奇跡を描いた大ヒット作です。

 

私がカナダで日本語教師をしていた時、ひとりのビリギャルと出会いました。

 

そんな私と彼女の物語を数回に分けて綴ります。

第一話 カナダのビリギャルとの出会い

2017年11月。

 

フリーランスで日本語教師をしていた私は、「英語で日本語を教える」という日本語教師の難しさにあくせくしながらも日本語を勉強したいカナダ人と楽しい時間を過ごしていた。

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そんな時、ある学生から「日本語を勉強したい」とメールが届いた。

 

彼女の名前は、J。

香港生まれ、上海育ち。

大学からカナダのバンクーバーにある名門大学UBCに入学している20歳の女の子。

バンクーバーは移民で構成されている街。

中華系の人が多く、中国語が母語で、カナダに来て英語が話せるようになり、次は日本語を勉強したいという人達がごまんといる。

そのおかげもあって、生徒の獲得には特に苦労はしなかった。

 

今までの生徒と同じようなケースだろうと予想しながら、ダウンタウンにある「Take 5 Café」で待ち合わせ。

 

そこに現れた彼女の顔は、お世辞にも明るいとは言えなかった。

 

ひと通りのスモールトークを交わし、なぜ日本語を勉強したいと思ったのか聞いてみた。

小さい頃から北海道に家族とスキー旅行に行くのが楽しくて、日本が大好きになりました。そして、カナダに来て、英語も話せるようになったから次は日本語を勉強したいと思って、日本語のクラスを専攻したものの、授業が難しいのとクラスメイトのレベルが高過ぎてモチベーションがなくなり、クラスで一番成績が悪くなってしまった。このままだと、単位を落としてしまうし、日本が好きで日本語を始めたのに、日本語が嫌いになってしまいそう。

今まで日本語を教えて来た生徒達は趣味で日本語を学びたいという比較的ライトなスタンスだった。

でも今回は自分が日本語教師になって初めて、大学の単位がかかっていて、しかもクラスビリの子を指導しないといけない。

 

何とかしてあげたい。

 

単純にそう思った。

 

彼女の日本語教師になることを決意し、早速日本語のレベルがどれぐらいか確認を始めた。

 

授業では、日本語学習の聖書「げんき」を使用しているらしい。

「げんき」とは、日本語を勉強する外国人がまず最初に手に取る入門書のような教科書だ。

「げんき1」を終えて、現在は「げんき2」を授業で勉強していると聞いて、「げんき1」の内容は問題ないかなと思った私の考えは甘かった。

 

「げんき1」の内容の半分も習得できていなかった。

 

授業についていけないわけだ。

まずは基礎を固める必要があると判断し、「げんき1」の内容から再度スタートすることにした。

 

 

ただ、彼女には、あるものが圧倒的に無かった。

 

 

 

 

 

 

 

それは、自信。

 

 

 

 

 

 

間違える度に、

 

「ごめんなさい、私本当に頭良くないから。何回やっても覚えられないんです。やっぱ日本語私には向いてないかな。」

 

笑ってそうごまかす彼女の目の奥はクスリとも笑っていなかった。

 

 

試験まで残り3ヶ月。

 

 

カナダのビリギャルと出会った日は、

雨季の訪れを知らせるには十分なぐらい大雨だった。

 

二話に続く▼

カナダのビリギャル 第二話

 

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