メキシコが生んだ奇跡の再会

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この物語は、メキシコ、ボリビア、日本を舞台にした実話である。

 

 

 

2017年3月。

私はメキシコのカンクンにいた。

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アジアから始まった世界一周もいよいよ終わりの時が近づく。

カンクンの海を眺めながら旅を振り返っていた。

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そんな時、ある二人の女性バックパッカー達と宿で出会った。

関西出身の女性二人組。

当時23歳だったその二人は、高校の同級生で、私とほぼ同じ日程で日本から出発して、ここメキシコに降り立っていた。

世界一周旅をしている人に出会うと、ほぼ100%の確率で、東回りのルートなのか西回りのルートなのかお互い確認し合う。

彼女達は、私と同じ西回りのルートだった。 

 

カンクンの宿のオープンスペースにて、どんな国を旅して来たのか語り合う。

西周りのルートを選択したことと日本を出国した時期が私と近いということもあり、話は盛り上がった。

 

アジア、アフリカ、ヨーロッパの話が終わり、南米でどこを旅していたのか確認し合う。

 

南米の観光地と言えば、ボリビアのウユニ塩湖は鉄板中の鉄板。

知らない方のために写真を貼り付けておくが、こういう鏡張りの湖のことである。

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ユウイチ「ウユニ塩湖にはいつぐらいにおったん?」

彼女達「3月2週目ぐらいですね!」

ユウイチ「俺もそれぐらいにウユニ塩湖おったで!ちなみにウユニ塩湖でこんな写真撮ったわ」

 

一枚の写真を彼女達に見せる。

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 満月の夜に、ウユニ塩湖で出会った日本人達が「みんなで文字を書こう」と集まり、ペンライトを使って、撮影された写真。

2017年3月12日にウユニ塩湖で日本人達が集まって撮ったことを文字にした。

少し補足すると、満月の夜のウユニ塩湖は、満月以外の光は無く、お互いの顔がよく見えない。

隣の人の顔はわかるけど、隣の隣の人の顔は見えていない。

 

 

この写真を見た瞬間、彼女達の表情が一変。

 

 

 

 

 

彼女達「えっ!!私達もこの中にいるんですけど!!」

 

 

 

ユウイチ「え〜!!」

 

 

 

 

奇跡の再会。

 

 

情報のかけらを3人で集める。

話していくにつれて、少しずつ思い出されていく記憶。

 

ユウイチ「俺は、20170312の「1」を書いてたけど、二人は何書いてたん?」

彼女A「私はUYUNIの最初の方の「U」です!」

彼女B「私はUYUNIの二つ目の方の「U」です!」

ユウイチ「めっちゃ近くにおったやん!!」

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彼女達「どうやって文字を書くか仕切ってませんでした?」

ユウイチ「仕切ってた気がする、あ〜仕切ってた仕切ってた!」

彼女達「やっぱり!!」

 

それからは、旅のこと、恋人のこと、人生のことを語り合った。

 

翌日、3人ともメキシコからアメリカへ移動。

ロスの空港でお別れ。

 

彼女達はアメリカのroute66を車で制覇する。

私はサンフランシスコを旅して、日本に帰国し、その後すぐカナダに旅立つ。

 

「また会おう!」

 

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二人の笑顔を見送った。

 

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あれから一年半。

 

 

 

 

先日、梅田の街を歩いていた。

観光客も含めて、年々混雑する大阪。

待ち合わせにも苦労するぐらい人で溢れかえっている。

 

そんな群衆の中で、ある女性を見つけた。

そう、あの二人の女性の内の一人だった。

名前も覚えていないがとにかく声をかける。

 

 

ユウイチ「あの〜メキシコのカンクンで、覚えてる??」

 

彼女「・・・・・・・・あっ!あーー―――!!!!!!」

 

 

最初は新手のナンパと思われたようで、おもいっきり睨みつけられたけど、記憶が蘇ったようで、梅田の紀伊國屋書店の横でテンション上がりまくる二人。

 

2回目の奇跡の再会。

 

日本の裏側の南米で出会うだけでもものすごい確率なのに、ここ大阪でばったり出会うなんて、どんな確率なんだろう。

何兆分の一とかなのだろうか。

 

お互いその後予定があったので、連絡先だけ交換。

そして、昨日、もう一人の女の子も呼んで、一年半ぶりに再会。

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 旅、カンクンの思い出、この一年半どう過ごしていたかを語り合った。

 

二人は24歳。私は30歳。

彼女達の見た目の派手さもあり、

周りからの目線は同伴感は否めなかったが、最高に楽しかった。

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奇跡なんてものはなくて、

全ては必然なのかもしれない。

 

これだから人と出会うのがたまらなく好きだ。

 

人生はおもしろい。

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ユウイチ

 

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